限りなく書籍紹介に近い何か


松の内も過ぎまして、自分の周囲もようやく遊びモード始動という最近です。神沢です。




はからずしも本日はニコニコ動画関連の書籍紹介となりそうです。


昨日は自室に溢れる書籍の山々をどうにかすべく書棚の調達に出かけたのですが、
結局蓋を開けてみればさらに書籍を調達して帰宅したという、なかなかに我が身の学習能力のなさについて痛感した次第です。





では



20110120220803
anime95.2 春原ロビンソン ハーヴェスト出版



春原ロビンソンさんは自分のようなニコ厨なら一度は観たであろう、




http://www.nicovideo.jp/watch/nm4719638


この一連のシリーズの作者さんです。
観てみて、なにか心に残るモノがあったらおすすめです。
もともとアニメーターの方なんですね、春原ロビンソンさん。
就職してからその席を離れるまでの様子が地に足のついた等身大で描かれています。
「業界の本音!」「暴露! コレがアニメ業界だ!」
そんな大仰なモノではないのですが、
実際、中にいる人たちの日常はどんなモノなのかという世界がかいま見れます。
どんな世界でアレそうなんですが、いいところもあればそうでないところもある。
なるほどなあと。
題名の『95.2』という数字、これは終盤になるとわかります。
この数字の意味を知るコトができただけでももうけものかなと。
自分の知らない世界に従事する人たちのお話という意味でも、ぜひぜひおすすめです。





20110120220816
もしリアルパンクロッカーが仏門に入ったら 架神恭介 イカロス出版


待ってました!
こういう品が欲しかったんです!


ん、
漫画ではないですね。



活字からなる仏教入門書です。




そ、の、ま、え、に。




自分は今回のように、
この場で宗教についてのお話をさせていただくことがあるのですが、
そのときにからなず申し上げていることがあります。
それは
・自分は特定の宗教、宗派への勧誘をいたしません。
・宗教は生きている人間のためにあるモノです
ということ。


なのでまあ、今回も。


自分は仏教徒真言宗豊山派です。
だからといって自分の文章を読んだ方に仏教徒になれとは言いませんし、
真言宗が最高とも言いません。それ以前に言えません。
なぜならば、
自分が仏教をよくわかっていないからなんですね。
あと、考えを他人に押しつけたり押しつけられたりというのも好まないのです。


しかしながら仏教徒であることは間違いがない自分なので、
きちんと宗教について考えたいなと。
なんとなくお盆、
なんとなくお彼岸、
時期が来たからアレをやってコレをやって……それは理解ります。
じゃあなんでそんなこんなことをやるのかしらん?
ともなりますとううむ……と、二の句に詰まってしまうところもあったりするわけで。


一度きちんと、
広く浅く宗教、とりわけ自分が信仰している仏教について学んでみたいなと思っていたのです。


しかしながら。



書店に赴いて講談社学術文庫の背表紙などを眺めておりますと……。
もうね、入り口からして敷居が高いんですよ。
軽めに、さらっと、わかりやすく、居間でごろごろ寝転がりながら、お茶とお茶菓子片手に読めるようなものはないかなあと。
そんな中で一番わかりやすかったのが、ネットで見かけた、



http://www.nicovideo.jp/mylist/21033758


蝉丸Pのニコニコ仏教講座だったんです。
この方は高野山真言宗本山)出身で四国は徳島県在住、とあるお寺のご住職さんなのですが、
ご本人が同好の志(オタク)ということもあってか、
講座の解説は自分のような人間にとてもわかりやすくあつらわれているのです。


どの講座も本当にコレ無料で視聴させていただいていいんだろうかと、
そう思わずにはいられないほどのわかりやすさなのですが
今回の話で言えば、



http://www.nicovideo.jp/watch/sm6347888


これは本当にわかりやすかったです。


チビッコの頃から不思議だったんですよ。
「水島ー! 一緒に日本に帰ろうー!」
あのオレンジ色の衣を纏ったお坊さんの格好って、
日本のお寺のお坊さんと同じ『ぶっきょう』なのになんで着ているものが違うの?
日本のお坊さんは、もっといっぱいいろいろ着てて、あとなんか黒い。


それがこの動画を観ていて、
大乗仏教』『上座部仏教』というものがあるのだと。
なるほど。
宗派の違いは言ってみれば同人二次創作での解釈みたいなもんかと。
なるほど。
元の根っこは同じなんだと考えてみたら仏教という一括りでは宗教宗派の違いは大したことではないのだなと。
なるほど (実際枝葉末節にはかなり違うと思います)



そうしますと、
じゃあなんで自分は真言宗豊山派なのかなと。
というか、真言宗豊山派ってなんですか?
それ以前に根本的な問題として、
仏教ってなんですか?
と。



そのあたりを簡単になぜなに物語りをしてくれる品が欲しかったんです。


書店に赴きますとね、
いきなりディープなんですよ。


空海の生き様』
『鑑真とは何か』


いや、その前にちょっと、もうちょっと、自分のようなうす甘いお馬鹿ちゃんにも理解りやすい品をなんとかプリーズ、プリーズ、プリーズ……(だんだん声が弱細る)……。


とはいえ曲がりなりにも三十余年、人生送ってきてはおります。
多少難解な専門用語が出てきたとしても読解の糸口くらいは見つけられる様になってるわけで。


たとえるならば、たとえられていないかも知れないけれど、
プラモデル屋さんに行きました。
プラモデル買いました。これかっちょいー。ジムキャノン
このロボット、肩におっきな大砲付いてるんだぜー。
……ジムキャノンって何?
ジムの派生系です。
ジムって何?
ジムはガンダムの量産型であってな、ガンダムはそのまま量産するには向かないから量産に合わせてスペックを見直してだな……(あとは詳しい方お願いします)
ジムキャノンだけしか知らない神沢少年は本来のジムも元になったガンダムも知らないわけで。
っつーかそれロボットじゃねぇ、モビルスーツだ。
神沢少年にとっては手にしたものがジムキャノンのみであり、真言宗豊山派のみなわけです。
モビルスーツ(仏教)ってなによ?
インかアウトで言ったら微妙にファールな例えなのですが、なんとなく温度を感じてください。
ガンダムも自分実はよく知らないのです。
そんなこんなでしてね、
うすーく、ひろーく、
仏教について触れてみたいなーと。
思っていたワケなのです。
豊山派(ジムキャノン)から見た真言宗(ジム)はまだ知らなくていい。
真言宗(ジム)を生むことになった大乗仏教ガンダム)は知りたいけれど、
大乗仏教ガンダム)の大元、根元的な存在である仏教(モビルスーツ)ってなに?
そういう話なんです。

……
あの、これ、うまく行ってないと思うんですけれど、
例え話ですからね?
例え話ですので自分に分厚いモビルスーツ本持ってくるのやめてください、特に身内仲間うちの方々。




おおいに脱線はしましたが、
とにもかくにも自分が欲しいなあと思っていたのは、



大人な初心者向け解説本。
単純に仏教を学びたいんです。


宗教は一つに文化でもあるので、自分が好きな英語にも必ず関わります。
英語に仏教? 関係ないんじゃないの?
あります。
日本人は日本語で思考します。
そして言語は文化と不可避性を持ちます。
キリスト教文化、もしくは他の宗教文化で書かれた言語を仏教文化(もしくは神道文化)の日本語で読むわけですから、
そこには少なからず文化的差違が生じます。少なからずというか、大いに。


川の向こう岸にあるモノを違和感なくこちら側の岸に持ってくるという作業が翻訳にとって重要な作業なんです。


彼我を見つめること。
それは見果てぬ向こう側を観察することも大切なのですが、
それと同時に大切なことは自分側、
自分自身を認識するという作業が大切なことでもあるのです。


その作業においては、
「なんとなく仏教徒、なんとなくお盆休みを過ごしてなんとなくお彼岸を過ごして」
それではハロウィンもクリスマスもきちんと理解ができません。
若い男女が発情するためのイベントじゃないんですよ、ハロウィンもクリスマスも。


あと
盆暮れの休日は同人誌を調達するためのものではありません!
ええいただきました!
サークルの売り上げでおいしいごはんを何度もいただきました!
ついでに挨拶回り来られた他サークルさんの新刊もたくさんいただきました!
コミケ閉会後の有明サイゼリア! 打ち上げのサークルさんばっかり!
でも違うから!
盆暮れの休みは本来そういう意味じゃないから!



ぜーはー
ぜーはー
ぜーはー



……うん、もどろう。
のんびりゆっくり主義なこの場に戻ろう。





てなわけでですねー、
宗教や信仰というモノは知らず知らずに日々の暮らしの中にあるモノなのです。


どのくらいそれが日々の暮らしにあるものなのか。
実はわりと知られていなかったり。
たとえば食べ物。
おはぎとぼたもち。
コレの本当の違いはご存知ですか?
作る季節が違うからなんです。
お彼岸の時期に作るからなんです。
二つあるのはなぜか?
お彼岸の時期が二つあるからです。
春と秋。
お彼岸という時期は全部で七日間ありまして、
真ん中の日、四日目がそれぞれ春分の日秋分の日なんです。
由来は簡単なことでして、
その昔、仏教が人々の間に栄えなくなっちゃった時期があったんです。
そのとき、どこかの仏教の人が時の帝(天皇陛下のご先祖様)にお伺いを立てまして、
「なんか一発、仏教がイケイケになるイベントとかありませんでしょうか?」
帝は
「昼と夜が同じ時間になるこの日とか、いいんじゃね?」
などとおっしゃりまして、それがお彼岸の始まりです。
お彼岸って、日本独自の、あとから作られた仏教イベントなんですよ。
コレは当時の人々の暮らしにも関わります。
ほとんどの日本人は地味にこつこつ暮らしてましたので。
そこにお寺が
「はっちゃけるぜぇ〜楽しいことやっちゃうぜぇ〜」
そう言ってきたら食いつかない道理はないわけで。
……今ではその名残はお墓参り程度になっちゃってるのですが、
もともとは日本独自の仏教信仰強化週間でした。
当時お寺は中高の文化祭並みなお手製お祭り騒ぎだったそうな。
……刺激に飢えていたのかも。
逆に言えば今は刺激が多すぎると言えるのかも知れません。
本来の立ち位置が見つけづらいというか、地に足の付け所がないというか。


ああ、もどっておはぎとぼたもち。
ごはん(米)をあんこで包みます。同じものです。
春は『牡丹』が咲くので牡丹餅、ぼたもち。
秋は『萩』が咲くので萩餅、おはぎです。
語の由来はコレです。




さて、
まとまりが無くなってきたというか、
今日の落としどころはどこにしましょうと。



オチの前にひとつ。
宗教はね、やっておいた方がイイと思います。
やっておいた方がいいというか、自覚しておいた方がいいです。
ほとんどの日本人の方は無自覚に仏教徒であることが多いです。
(クリスチャンやその他の信仰を持っている方を否定するわけではありません)
(むしろ、自覚していない方こそ自覚して欲しいのです)
宗教は生きている人間のためにあるモノです。
心細くなった時、何にも頼れなくなったと感じた時、
ご自身の精神的な支柱をどこに求めるかと言えば、
おそらくは宗教です。
その時にご自身の宗教をきちんと自覚しておかないと、
あなたの築き上げた財産を狙っている連中にぱくっとやられます。
人の心が弱まった時に付け入る連中の狡猾さは本当に見事なまでですよ?
あと、会話してて怖い、かな。信仰のない人は。
基準が見えてこないから価値観の物差しがわかりません。




最後に。


20110120220847


自分で探し当てたつもりだったのに
蝉丸Pに先回りされてた様な気分になってちょっとへこみました。


まあ、孫悟空もさんざん暴れ回って見せたら実はお釈迦様の手のひらの上の世界でしかなかったということもありますし……。


上には上がいるモノです。


うん。