モノは考え方

その昔、
どう考えてもその青年は引きこもりだった。
元から内向性が強かったんじゃないのかなあ、などとも言われてる、後世。


でもまあ、
たまには外を見たいと思ったんだろう?
青年の家は立派な王族一家だったから、
東西南北にそれぞれ門とかあったりした……豪勢なことで。
なにが不満だったんだか。


引きこもりなその青年、
なにを思ったのか外の様子を見てみようと思った。
幸い青年の家は王族一家なので門に囲まれていて、
そこから外を見るくらいには何の差し支えもない。


だから


東の門から外をのぞいてみた。
そこにはよぼよぼのジジイが歩いてる。
「わー、俺もいつか歳を食えばあんなジジイになっちまうんだー」
意気消沈。



南の門から外をのぞいてみた。
そこには病気の人がいる。
「わー、病気にかかったらあんなふうになっちまうんだー」
意気消沈。



西の門から外をのぞいてみた。
葬式の真っ最中で、その列に出くわす。
「わー、人間なんていずれ死んじまうんだよ〜」
意気消沈。




こうやって外の世界を見てみたけどさ?


世の中なんてさあ、
ろくでもねぇんだよ。
なにやったってたいしたコトなんてねぇの。



ほっといたって人間、
歳食うわ病気になるわそのあげく死んじまうわ。


ろくでもねぇよな。


もーいーよ。
あといっこだよ
あといっこ、、
北の門。
北の門から外をのぞいてみたらなにがあるっていうんだい?






北の門からのぞいたその世界には、







聖者がいた。







うおおおおお!
すげえぇぇぇぇ!!
ああなりてぇぇぇぇ!!!






青年の名はゴータマ・シッタルダ。


後に仏教の開祖、お釈迦様と呼ばれる人となる。
そのきっかけとなった『四門出遊
それを自分なりに。





うん。