据え膳食わぬは武士の恥?

20100206002610
さあ始めよう、たのしい英語の時間だよ? 神沢です。


本日はいつもの神沢誤訳ではなく、
お勉強の時間とさせていただきます。
オ・ト・ナ、の。




たとえば……状況は夜で部屋の明かりを落としたあととしましょう。



「ねえ……しないの?」
と、問われて、
その答えが
「うん」
なら、


どっちでしょうか?


同じ内容で言い方を少し変えてみましょう。


「今日は……しないの?」
「うん」


こうくるとわかりやすいでしょうか。


ここでの
「うん」
は、否定の意味となります。
なので今夜はいたしません。
おやすみなさい……。



これが日本語なのですが、
英語になるとちょっと変わります。


「ねえ……しないの?」
“Don’t you make love with me?”


これに対し
「うん」をそのまま英訳すると、
“Yes”ですね。
肯定です。


つまり

“Don’t you make love with me?”
に対して
“Yes”
で答えるのは



「や ら な い か?」
に対して、
「(*゜∀゜)=3 ムッハー」


で答えているというわけです。
さあ、
レッツ、ファイッ!



え?なに?
……もうやだこのブログ?
まあまあ、最後まで聞いてくださいな。



英会話での質問、相手にy/nを求めて訊ねる形式の答え方です。
“Do you〜”(するの?)
“Don’t you〜”(しないの?)
どちらの訊ねられ方でも


“I do”(する)
なら
“Yes”(はい)
となります。


“I don’t”(しない)
なら
“No”(いいえ)
となります。



今日は疲れちゃってて……、なら、英語では
「今日は……しないの?」
には
「はい、しません」
ではなく、
「いいえ、しません」
と答えることになります。
……日本語に直すとちょっと違和感がありますね。


肯定するのか否定するのかちゃんとはっきりするのが英語なのですが、
逆に言えば日本語の表現が他の言語と違いどれほど幅を持った豊かなものであるのかという証左となります。


そうですね、
せっかくのお誘い、無下にするのは。
『据え膳食わぬは武士の恥』
とも申しますし、
(もとの意味は『女性から仕掛けられた情事を断ってはいけない』です)


まあ、
正直だめな時には本当にだめなものなので、
その時には、
「ごめん、今日ちょっと疲れてて……」
一言あってもいいんじゃないかと。


もしくは状況によりけりですが、
「明日のデート、一緒にいっぱい楽しみたいから……ね?」
言葉と共に腕枕ひとつで済むのならたやすいものなのではないでしょうか。



………ですが、その後、
“Why don’t you?”(どうしてしてくれないの?)
と、続いたらちょっと考えを改めた方がいいかも知れません。
場合により離婚調停フラグになる恐れがあります。
もしくは『どこかのトンビに油揚げをかっさらわれる』なんてことにも。



どのような場合にせよ、
「ことばをつたえる」
とは
「おもいをつたえる」
ことに他ならないので、


うまくいくときもあれば、
そうもいかないときもあります。



20100208001536




だからこそ、
人間っておもしろいな、たのしいな、



そう思っている自分がいるのです。


うん。