くろじし亭(群馬県館林市)

昨晩この場を書き上げたあとえろげーを続けていたらいつの間にか午前三時。神沢です。



あとオチを今から申し上げますが間違いなくおいしかったです。




自分がこの場で食事処をご案内する場合、
男子の人が好みそうなネタ系のお店であることが多いのですが、
ネタに走らないお店にもお伺いすることもあります。
そんな日のこと。


家族と外食はハンドルを握る自分。
そのオーダーに『お蕎麦』
さてはてどちらのお店にお伺いしましょうかと考えあぐねた結果、


以前一度お伺いして
「自分としては好みですが身内仲間うちへのカードには向かないかもなあ」
と、思ったそのお店へ。



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くろじし亭さんです。
群馬県館林市は郊外、東北自動車道インターチェンジ近くにたたずむお店です。


こちらのお店の特徴は、群馬県館林市にありながらも山形県の手打ちそばを商われているということと、出す品全てがこちらでの手作りということです。


自分は門外漢ゆえ詳しくは知らないのですが、
山形のお蕎麦はコシのあるかためのお蕎麦なのだとか。


今回お伺いは二度目なのですが、
初回前回と同じ品にしてみました。
セットメニューです。


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くろじしセット 1050円。
お店の名前を冠しているということで、看板メニューなのではないでしょうか。
内容は、


・手打ち蕎麦
・餅三種(ずんだ・納豆・粒あん
・そば豆腐
・日替わりの煮物(この日はひじき)
・箸休め(たくわん)
・薬味としてどっさりの刻み葱


自分がこの場でご案内する他の大盛りなお店から比べるとかなり控えめに見えてしまうお蕎麦の量ですが、
よく見てください。
このセット、トータルで見るとかなりのボリュームです。
蕎麦ひと皿にお餅が三つ、豆腐が付いてさらにおかず付きという具合です。


大盛りの設定はないお店です。
お蕎麦をもっといただきたい御仁には「おかわり」にて。


まず、お餅がおいしいのです。
そば屋に来て餅というのもどうなのかとは自分でも思うのですが、
このずんだ餅。緑色のお餅。
ずんだって枝豆のことなのですが、潰してペースト状にした分と刻んだ分が餡になっていて、豆の歯ごたえとまろやかさが口の中で広がるのです。
ずんだ餅なんて観光みやげ程度でしか知らなかったものですから、この味わいはぜひとも一度ご賞味あれと思えてきます。塩気も甘みも主張せず、素材本来の味が引き立ちます。


お餅自体も。
たぶん、いや間違いなくそうなんだろうなあと思うのですが、
つきたてです。
柔らかくて箸で切れます。
大きさそのものは手のひらこぢんまりな寸法なのですが、
「固まった、固まりかけた」品を温めたならこんな箸の入り具合も食感も出ません。
その日その分だけをこしらえてその時に出すという方法をとらないとこうはならないんじゃないかと。
お正月でもないのにこんなお餅がいただけるって、そうそうはないです。



そしてそば豆腐。
市販されているのを見たことがないのですが……。
ごま豆腐、枝豆豆腐なら見かけたことはあります。
しかしそば豆腐というのは……。
仮にどこかかから運んだにせよ、この地では味わえない品です。
すごいな。すごいですよ。



おかずの煮物に箸休め。
これらもまたこちらでの手作りな品で素朴ながらも味わい深いです。



「おまえなんでこんなお店知ってるの?」



家族から入ったツッコミに
「うーん、なんでだろう?」
思い出せない自分です。








『単品一品大盛りがっつり』
そんな手合いを求める方には向いていないのかも知れませんが、


口に運んで味わう楽しさ。
それのみならず、
目で見て味わう楽しさ。
箸の運びを選んで味わう楽しさ。


蕎麦屋さんでいただくのは蕎麦だけにあらず!』


見つけることの楽しさというのも新たな出会いのひとつなのではないかと。





……
でね?



肝心のお蕎麦について何も書いてないことに今気付いた自分です。



うん。