師走近く 収める書棚行き所無く


今晩の目標:デフラグをかけて寝る。神沢です。



はい、
そんなわけで本日もまたつらつらとお話などをさせていただければなと思います。


今日は4コマ談義。





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晴れのちシンデレラ(3) 宮成樂 竹書房 BAMBOO COMICS 


3巻です。
えー、実はちょっと情けない事情で本日の調達と相成りまして。
発売日は昨日だったのですが、昨日はいつものように書店経由での帰宅ではなく、まっすぐに帰宅したんですね。


なぜならば “The reason why”(←受験英語
お財布にお金がなかったんです。
まったくというわけでもなかったんですがイマドキ五百円札をレジのお会計に出す人っていないだろうなあと。ええ、まったくありませんでした。
自分、毎月お給料日の数日前になりますとお財布の中身を見て、
「この残存兵力でどこまで行けるか」
「ATMでおろしたら負け」
というチキンレースをやりたくなる性分でして。
待機する野口英世数名を確認、戦の火蓋を切り落としていたのです。
今月は勝利。
お給料日を過ぎても兵力に余力はあったのです。
あったのですが、好事魔多し。
「ここまで行けたらどこまで行けるかやってみようぜ」
……えー、昨日昼まででした。


お勤めは帰宅時に。
「ああ、本屋さんに寄って帰らないと。発売日ですもの」
「お金……おろしていくか」


土曜の夜はATMが止まっていたのでした。


のおおおお!!



……枕を涙で濡らしながら就寝した昨晩のコトでございます。



と、まあ、
お小遣いのやりくりのヘタさについては小学生並みの自分ではあったのですが、よくよく考えてみれば主婦の方などは常時この状態で戦に出ているのですから自分もそのあたりは見習おうと思いました。




さて、
話は戻って、
『晴れのちシンデレラ』
世に四コマ漫画は数あれど、この作品は不肖・神沢正道、
一押し二押しに大押しな品でございます。


内容はといいますと、お嬢様学園に通う主人公の女の子。
実は成金でして、おじいちゃんが外国で油田を掘り当てたため貧乏のどん底からいきなり成り上がるという異質な経歴の持ち主でございます。
おもしろさはひとつにそのギャップでして、
成金でお金持ちになったのに関わらず極貧時代の性根から抜け出せないという、そしてそれが漫画ならではの加速度具合。
お嬢様といえば貧弱で世間知らずがありきたりはステレオタイプなのですが、
こちらのお嬢様、ハルさん。
たいへん質実剛健な心身にできてまして。
一つ一つのネタにいちいち笑ってしまうという、読者としては見事に作者の狙ったツボにはまっております。


それとですね、
人は日々暮らしていくのに一番大切なのはお金じゃないんだよと。
そのことを教えてくれます。


お金自体はね、大切な要素です。
喜劇王であるチャップリンも映画『ライムライト』で言ってました。


『人生に必要なのは、愛と勇気といくらかのお金』


無いと成り立たないのは確かなことです。お金。


この言葉を鵜呑みにすると『要・現金』なのですが、
お金というものはですね、
社会に参画して、労働に努めて、その結果に対する報酬として初めて得られるものですから、まずは社会の一員であること、その場に在ること。そしてその社会に参画して成果を出すこと、そして評価されること。そういうことじゃないかなあと。



直訳するところのですね、
ニート? 何言ってんじゃボケ。手前ェが喰ってる飯はどれだけの人間が関わってどれだけ手間ヒマ通して手前ェの口に入ってると思ってンだ?』
というところでもあります。
他にも人だけではなく、土に太陽に気象に季節。食べるだけ生きるためだけに人はさまざまなものをいただいているわけですよね。
そう考えてみると、ごはんをいただくとき、
『いただきます』とは、とても意味が深いものなんだなあと。
まあこれ以上は宗教トークに入りそうなので控えます。



ああ、今書きながら気付いたのですが、


『晴れのちシンデレラ』


これすごい題名ですね。
作品としてはシンデレラストーリーなのですが
(ある意味当人は願っても望んでもいなかったのにいつの間にかあれれれれ? という節は見受けられますが)


『晴れのち』って、なんでかな? と。


晴耕雨読、その後シンデレラストーリー』



……深読みし過ぎか。ですね。
ええ、そんなわけで。




そして本日はもう一作品。



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ちいちゃんのおしながき(7) 大井昌和 竹書房 BAMBOOCOMICS


小学生10歳は居酒屋板前のちいちゃん。
29歳のママと二人でお父さんが残してくれた居酒屋『みづは』を切り盛りします。


これが、
こーれーが、
おもしろい!
酒好き肴好き居酒屋好きにとってはたまらない一品です。
そして自分が好きなこの作品の見どころは、


いわゆるグルメ漫画じゃないところです。


肴の話は出てきます。
お酒の話も出てきます。
ですが、
グルメ漫画によくあるような酒や料理の講釈・説明モノではなくて、


あくまで主体は居酒屋という交流の場の話なんですよね。


主人公のちいちゃんがいて、ママがいて、そしていつもの常連さん達がいて、その場で織りなす会話と交流というスタイルが好きなんです。


酒も肴も共に出るたび毎回新鮮なネタが出て来るのですが、
それはあくまで脇役で、
メインは『居酒屋みづは』での登場人物達のやりとり。


これが自分にはツボです。


スタイルとしては『深夜食堂』に似ているかも知れません。
登場人物達のやりとりの中で出てくる料理。
状況に合わせてそっと、そして確かに出てくるのです。


20101128212435
ちいちゃんのおしながき繁盛記 大井昌和 竹書房 BAMBOOCOMICS



繁盛記の方は4コマ漫画ではなく、普通の漫画です。1話完結。
最初手にしたときは4コマが終わって続編なのかなあと思っていたのですが、同時進行な様子なのでまたこれもおもしろく。



んー、
ストーリー漫画を描かれる漫画家さんが
「4コマは難しい」
と、おっしゃるのを見かけるのですが、逆は見たことがないですね。
4つのコマという限られた世界・空間の中で物語を開いて閉じるという作業、自分達読者は簡単に流し読みしちゃってますが実はものすごい技術なのかもと思うのです。



とにもかくにも、
『小料理屋 みずは』
こんな居酒屋が近所にあったら通っちゃいますねえ。


ぜひ通いたい!






20101128212457
長門有希ちゃんの消失(2) ぷよ 角川書店 角川コミックス・エース


……萌え系も、たまには読みますよ?




うん。