神沢誤訳


身内仲間うちから、一昨日の誤訳ネタについて。
「“H2O”って」

http://www.youtube.com/watch?v=CcDBHSMubAE&feature=related
「これじゃないの?」
というご意見をいただきまして。神沢です。


検索してみますと……あー、あった。ありました。
“H2O footprints in the sand”
という名のえろげー。
』という名のブランドさんから出てて、アニメにもなってるんですね。


「文章屋の言うこと信じたらあかんですよ」とは常日頃から申し上げているのですが、今回図らずしも自身で立証してしまい……ああ情けなや情けなや。


ネット英語の読解力が足らなかったなあ。


“h20 footprints in the sand”で、ひとつの名詞だったんですよ。
“”で囲ってくれればすぐに気付いたんですけれど、ネット英語ですから。イヤそれは言い訳だ。あかん。調べなかった自分に問題があります。2ちゃんねるなら「ググレカス」って言われてるところですね。


指摘された問題は素直に受け取ります。
その時に必要なことは『改善案』(その場の応急措置)と、『改革案』(問題の発生を繰り返さないための根本的な対策)ですね。調べよう。うん。


んー、
そうしますと、
“the spirit in h20 footprints in the sand”
この“the spirit”はどう訳せばいいのかなあと。
英英辞書引くのが面倒なので検索にて。


“spirit”の根っこの部分の意味は『こころ』なんですね。
まあそこから、
『魂』『霊』などの派生した意味も出てきます。
一時期、形容詞形の“spiritual”が流行った時もありますね。スピリチュアル。
美輪さんとか江原さんとかが好きな方にはたまらない世界として解釈されてます。
それは今回「こっちにおいといて」(あの例の仕草で)



別の意味、“spirit”には『人』『人物』という解釈の仕方もありますね。


さてどう解釈するべきかな……。
前述の動画と、一昨日の動画を見比べてみますと、



http://www.youtube.com/watch?v=jb6vyqZ-1a8&NR=1



http://www.youtube.com/watch?v=CcDBHSMubAE&feature=related



あー、
髪型の似た人がいます。色も似てます。
この人のことを指してるんでしょう、と、推察。


根拠の無い推察で誤訳すると、
「『H2O』に出てくるキャラに似てる、この女の子の名前はなあに?」
です。



ん?
なんで「キャラ」って言わないんでしょうか。キャラクター。
(あの英文を英語が母国語ではない方が書いた英文であるかも知れないとは説明はしました。しましたけれども)


ぐぐります。“character”
……
………
おおう。なるほど。
コレは温故知新。


「キャラ」「キャラクター」っていうと、
自分は作品の中の登場人物だとばかり思っていたのですが、
本来の英語の解釈では、
「人の性格」
「モノの特色」
つまり、
「個性」
という意味合いの方が強いんですね。


当然「作品の中の登場人物」って意味もあるのですが、
解釈の優先順位としては前述の「個性」より低いです。
理由は簡単。
日本語が良くも悪くも柔軟に外来語を取り入れる言語ならではないかと。



ねー。
もう。
外来語を柔軟に受け容れるからこそ、
そして取り入れた後は日本語として発展させるからこそ、
いわゆる「カタカナ語
本来の意味と違ってきてマスなんてよくある話でして。
英語に限らず、フランス語、ドイツ語、イタリア語、その他さまざま。



例えて手に取りわかりやすいカタカナ語の例。
自分と同世代の男子の人が『ガバメント』って聞いたら、
まず本来の『政府』じゃないですから。
ほとんどの方が連想するのは
20110327213052
こっちですから。
……こっちですよね? よね? あれ? ひょっとしたら違います?



まー、さてはて。
日本語はその性格からか歴史からか
(歴史がある言語だから性格が形作られるんですが)
外来語を吸収、消化、発展させたカタカナ語というのがとても豊富な言語でして。


語源を追ってみたら本来の意味と違っていたでござる。
語源を追ってみたら自分の知らない世界の言葉だったでござる。
……まあ、よくある話でして。



自分が当たり前だと思っていたものでも、
自分がいるその場から出てみると、
まったくもって通じませんでした。


そんな、
「あれれー?」
から、
「伝わると思ってたのに伝わらないとは、歯痒いものですのう」
と、なるコトもあるワケでして。



このテの問題に何の疑念も抱かず、ご自身の言語スタイルで通せるのは長嶋監督くらいなんじゃないかと思います。
積むモノを積むだけ積んだ人がああいう言い方をされるのであれば、
もう、
そういうモノなんだと思うしかありませんよね。


悟ってるのか諦めてるのかよくわからない自分の言語センスに気付きつつある最近です。



うん。