『煩悩』そして『悟り』と『解脱』

昨日からの続きということで、もうちょっと続きます、まめコラム。神沢です。

仏教についての、根元的な考え方のお話しを続けることになりますが、
ちょっとご注意を。
昨日と今日とでお話ししているのは、原始仏教のお話しになります。
今現在の日本にある仏教とは違いがいくらかありますので、
そのあたりは心得てください。お願いします。

「ＯＯしたいけれど、（ＯＯでありたいけれど）　そうはいかない」
この、『そうはいかない』に、『思うようにはならねぇな』と、悩むことが
仏教における『苦』なんですね。

元気でいたい、
健康でいたい、
しかし、人は怪我や病気に遭います。
その怪我や病気に遭った時に
「あーああ」
と、なってしまうのが、『苦』にあたります。

そして世の中は『一切皆苦』
「アレもコレもなかなか思い通りにはなりませんねぇ」
そんな世の中です。

仏教ではまず、この『苦』の存在と『一切皆苦』の認識が前提にあります。

なにゆえ『苦』が発生するのか。
「ＯＯしたいけれど、（ＯＯでありたいけれど）」
しかし、
「そうはいかない」
からですね。

この
「ＯＯしたいけれど、（ＯＯでありたいけれど）」
この部分が、人の人たる欲望であり、仏教では、
『煩悩』と呼ばれます。
お金が欲しいよ、新作アニメが観たいよ、えろげがやりたいよ、その他いろいろ。

『苦』の存在と『一切皆苦』の認識が前提にある仏教ですから、
まずこれは否定できません。
間違いなくそこにあるのです。

では、どうすればいいのか。
『苦しみ』から逃れられる術というモノにはどんなモノがあるのか。

仏教の開祖であるお釈迦様、ゴータマさんはここで革命的な考えを発案します。
………ちょっと乱暴というか、
ものすごい解決方法なので気をつけて読んでください。

早い話が、
「ＯＯしたいけれど、（ＯＯでありたいけれど）」
という、『煩悩』があるから、結果として苦しむんですね。
・「お金が欲しいと思うから、無いことに苦しむ」
・「女子の人にもてたいと思うから、もてない自分に苦しむ」
・「元気で健康でいたいから、怪我や病気をすると苦しむ」
考えてみよう、解決方法。
ぽく、ぽく、ぽく、ちーん。

はい、
『煩悩』を持たなければいいんです。

・「お金が欲しいと思わなければ、お金がないことに苦しみを感じません」
・「女子の人にもてたいと思わなければ、もてないことに苦しみを感じません」
・「元気で健康でいたいと思わなければ、怪我や病気に苦しみを感じません」

……上二つだけなら、なんとなく聖人らしい聞こえですが、
「元気で健康でいたい」という望みすら持つなというのも、ずいぶん極端な話です。
ですが、実際お釈迦様ことゴータマさんはこうやって解決しました。
悲しいけれどこれ仏教なのよね。

昨日もお話ししましたが、
人間、世の中生きていて、
「世の中、なかなか思い通りにはならないなあ」
から、
「どうにかなんねぇかなぁ、コレ」
は、大きなモノから小さなモノまでたくさんあります。

ある意味、
望みを持つから、
欲望を持つから、
『煩悩』であるから、
そこに『苦』、苦しみが生まれるのですね。

『煩悩』が『苦』を生み出すのなら、『煩悩』を持たなければいい。
ゴータマさんが言っているのはただそれだけです。それだけなんです。
それができれば誰も苦労しないのですが、
……元気でいたいって言うのも『煩悩』とはねえ、という気がしないでもないです。
でも……それが仏教の教えでもあるんですよね。

ものすごくすっ飛ばしてかっ飛ばして申し上げますと、
『煩悩』を持たない、とは、
『一切皆苦』（世の中アレもコレもなかなか思い通りにはなりませんねぇ）に対して、

「なんかもう、どうでもいい」

こう考えることになります。

この、「なんかもう、どうでもいい」という心境になることが、仏教では、
『悟り』であり、『解脱』です。

「お金が欲しい」→「どうでもいい」
「女子の人にもてたい」→「どうでもいい」
「元気で健康でいたい」→「どうでもいい」
「なんかもう、いろんなことがどうでもいい」

……ロクでもない考え方ですねぇ！

ただ、モノは言いようでして、
この「どうでもいい」は、言葉を換えれば、
『煩悩を断ち切り』『執着を離れる』と、なります。
……ホントにモノは言いようですね、しかし。

そんなわけで、
昨日今日と、この場、日々是。
読む方によっては、
ちょっと眠くなるお話しだったかなあ、と、思います。

仏教の根元にあるモノ。
『苦』とはなにか
『煩悩』とはなにか
『悟り』『解脱』とはなにか

何か考えのお手伝いになったら、と思いつつ、
本日はこれまでにて。

あと、
かなり神沢誤訳が入っていますので、
本気で知りたい人はちゃんと勉強してね！

うん。