弾薬談義
最近の昼食は主にスポーツドリンク。神沢です。
本日は久々21時台の帰宅なのですが、
ここ数日はお勤めばかりなのでネタがありません。えっへん!
……ですので本日もまったくもって役に立たないムダ知識。神沢です。
本日はかなりディープなネタです。
銃のタマ、弾薬のお話。
『リムド』『リムレス』『セミリムド』
これについてちょっとお話を。
…
……えー、
興味のない方は、本日、お読み飛ばしください……。
そもそもの『リム』
こう呼ばれるのは薬莢の底の部分、
お尻に当たる位置ですね。
“rim”英語でして、
日本語では『縁(ふち)』『へり』などと呼ばれる部分です。
右がリボルバーの弾薬で左がオートマチックのモノ。
この、
リムが薬莢本体の直径より大きいかどうかで、
呼ばれ方は変わってきます。
典型的な『リムド弾薬』
薬莢本体の直径よりリムの方が大きくなります。
リボルバーの弾薬に多いですね。
そもそも基本的にはリボルバーの弾薬はリムドです。
薬莢本体よりリムが大きくないと、
シリンダーに装填した際、抜けてしまうからです。
典型的な『リムレス弾薬』
薬莢本体の直径と同じ直径のリムです。
出っ張りになっていない、
『縁(ふち)』『へり』になっていない、というところから、
『リムレス』と呼ばれます。
リムレスの利点は自動拳銃の弾倉形状に反映されていまして、
薬莢本体の直径とリムの直径が同じですから、
弾倉をまっすぐにできるんですね。
ですので、
拳銃の世界だけで言えば、
基本的には、
『リムド弾薬』はリボルバー用。
このような考え方でいいかと思います。
例外はありますが、例外を憶えるより先に基本的なところを、ということで。
これがですね、
拳銃だけならわかりやすい話で、
一部の例外をちょこっと説明すれば終わるのですが、
小銃や機関銃となるとちょっとめんどくさいことになりまして。
『セミリムド』という、
「……ふぇ?」な存在が出てきまして。
いいですかー、
一度しか解説しませんからねー、
知りたい方はよーく聞いてくださいねー。
『セミリムド弾薬』というのは、
『リムド』と『リムレス』の中間的な存在です。
とはいえ文言をいくら並べても
『百聞は一見にしかず』
話すよりは見ていただいた方が話が早いのです。
これが『セミリムド』
リムの大きさに違いがありますね。
これが特徴です。
この話題で有名なのが戦時中の日本軍です。
口径の同じ弾薬でも、前線では『リムレス』『セミリムド』この二種類が混在していたのですね。
『セミリムド弾薬』は重機関銃や航空機の機銃に用いられていました。
『リムレス弾薬は』は小銃と軽機関銃です。
構造上、
『セミリムド弾薬』は小銃や軽機関銃には入らなかったのです。
「ああ、軽機関銃の弾が切れそうだからちょっと隣の陣地にいる重機関銃からもらってくるべぇ」というようなことができなかったんですね。
実際には『セミリムド弾薬』を用いる部隊と『リムレス弾薬』を用いる部隊は指揮系統や運用そのものが違ってましたし、陣地からして別だったので大きな混乱はなかったのでは、という意見もあります。
小野田寛郎 - Wikipedia
終戦後も現地に残って命令通りに作戦を続けていた小野田さんの例などはありますね。
残されていた戦闘機用の『セミリムド弾薬』を小銃に合わせて改造していたとかなんとか。
……どのようにやっていたのかは興味があるところです。
自分の知識だと重機関銃の部隊には金ヤスリが手入れ道具として配備されていたはずなので、
遺棄されたそれ(日本軍は遺棄の際、兵器を土中に埋めてました)を回収できていたのなら、用いて削っていたんだろうなあ位にしか想像ができませんが。
(小銃の改造は複雑すぎてできないと思います)
そんなこんなで、
今日も要らないムダ知識。
『リムド』『リムレス』『セミリムド』
についてでした。
うん。