尋常じゃないと思うけれど憧れるのです

降ったりやんだり降ったりやんだり。もー。輜重兵には辛い季節ですね。もう少しすれば梅雨も明け見上げる入道雲に「あの中にラピュタが入ってるのかな」と、王道トークがかませるようになることを切に願う
神沢です。


らき☆すた 22話 『ここにある彼方』


うん、流行っているのは知古にあったのですがそれまではなんとなく手を出せなかったのですね、『らき☆すた
理由はなんて言うか、あまりにもあまりにもだったので。正直言ってしまうとオタクネタを扱ったアニメはあまり好んでいなかったのです。当時は『秒速5センチメートル』や『千年女優』などの作風を好んでいました。


仲間内の集まりがあり、なんとなくみんなでアニメを観てみようという流れになり(全員三十路)その時に初めて拝見したのです『らき☆すた


最初の印象を今この場でそのままに書くと、「なんか……つまんない」
あずまんが大王みたいな設定で、主人公がオタクで、たらたら日常の描写だけ続いて……何が面白いの? 東京ゴッドファーザーズでも観てたほうがよっぽど面白いじゃん』
そんなことを考え、いえ、言いました。


「違うって。これは楽な姿勢になってのんびり観るのがいいの」


………のんびりアニメなんて観ていられるかー! こちとらアニメ鑑賞の時間なんて限られとるんじゃい! 時間は有限! 限られた資本は投下後に利潤で回収してなんぼよ! ゲームにマンガに小説に他のメディアだってたくさんあるっつーのにアニメにだけのんびりやってられるかー!




うん、
それが間違いなんだと。




「まあ、観てみなよ」と、ぶすくれていた自分に仲間は録画分を貸してくれて、「べっ、別に観たいから観るワケじゃないんだからね! 貸してくれるって言うから仕方なく観るんだからね!」と、三十路男性が本当にそれやったらかなりそれなりな光景なのですが、実際には「ん」の一言で受領。


観てみました。


はまりました。


うん、
自分は物事に対して感じ方考え方とらえ方がちょっと偏っていたのかなあと。
らき☆すた』という存在を、エイブラハム・リンカーンあの言葉になぞらえていた気持ちがありました。
『オタクのオタクによるオタクのためのアニメ』


そうじゃなかったですね。そうじゃなかったですよ。



らき☆すた』は、基本的に……リンカーンさんごめんなさい、オタクネタ満載なアニメであることは否定できません。 が……その中に鋭いモノが含まれています。


21話まで視聴を進めて、この22話でいきなりノックアウト。



主人公であるこなたの父、そうじろうはダメ大人っぽく描写されていますが、今回この22話だけは何を持ってこられても代えないものを持ち合わせる人物として描かれています。

だからこそこの物語の主人公であるこなたの父であるのですね。


うん、思うんですよ。
自分は男子なので女子ほど鋭く機敏な心の動きとかはできないのです。
できないならできないなりに、男子はまっすぐそのままやればいいのではないのでしょうか。


鬼籍に入った相手を口説くってすごいですよね。
逆に言ったらもうなにもできないのに口説かれてるって、どんな祈りの言葉よりてきめんに効くと思うのです。

だからこそかなたの一言。

「かなわないなあ、そう君には」

そういうことなんだと思います。