散弾銃の弾の話

昨日のこの場で
「12番のソウド・オフ片手撃ちって、雪歩の体格で大丈夫ですか?」
と、記述したのですが、その補足説明を。


【12番】
12番というのは散弾銃の弾の種類のことです。弾丸。
弾丸のことを『なまりだま』と呼ぶことがあるかと思うのですが、
その言葉を漢字で『鉛玉』と変換してください。鉛の球体。そのことです。


日本人には慣れない単位と
そして数字の話なので、急がずゆっくり読んでくださいね。


「1ポンド(約450グラム)の鉛の玉」


まずこれがありまして、


「その何分の一?」
というのが、散弾銃の弾のはかり方です。


12番というのは、
「十二分の一(以下1/12)の鉛の球体」のサイズです。
直径18.1ミリ。
つまり、
12番の弾を使う散弾銃の口径は18.1ミリとなります。


この散弾銃の口径の単位、『番』は『ゲージ』とも呼ばれます。
なので『12番』=『12ゲージ』ですね。


12番の他にも様々に数字はあるのですが、
全世界一般に一番広く普及しているのは12番です。




【ソウド・オフ】
この言葉の意味、「ソウド・オフ」は、「のこぎりで切り落とした」です。


銃の銃身(バレル)は焼き入れされた鋼鉄ですからのこぎりなどでは切れないのですが、
まあ、言葉の意味するところとして把握してください。


銃身を切りつめたり、
肩に当てるストック部分を切りつめたり
(短い品と交換したり、もしくは本当に切り落とす)
したりします。


銃の全長が短くなるので取り回しが楽になったり隠し持ちやすくなったりします。
欠点は命中精度と射程距離が落ちること。
早い話が散弾銃のソウド・オフ化は狩猟目的の猟銃としてではなく、
人間相手のケンカ向きです。


なので日本で銃を所有すると、散弾銃でもライフル銃でも真性空気銃でも定期的に所轄の警察署へ持参してこういういたずらしてないか銃の『身体検査』を受ける義務が生じます。
そういえば『踊る大捜査線』で検査中の銃を悪役の稲垣吾郎が強奪して署内で何かする回がありましたね。




【雪歩の体格で大丈夫ですか?】
散弾銃の弾、もとい散弾銃は射撃時の反動が大きいんです。
考えてもみてください、
口径18.1ミリって、かなり大きいです。
戦車や装甲車の上に据え付けられている重機関銃だって口径は12.7ミリです。
大砲といってもいいくらい。
それを細身の女の子が撃てるでしょうか。


参考程度に、写真。
20100130191642
上がライフルの品で、下が拳銃の品です。
中に詰められている火薬の量がどのくらいちがうでしょうか。


正直、
きびしいんじゃないかなあ……。



【結論】


元ネタが元ネタなので気にしちゃいけないんですけどね!






うん。






【余談、もしくは独り言】
・wiki見ると「12番の次に人気があるのが20番(15.6ミリ)」とあるのですが、日本国内の実銃射撃ガンマニア的には410番(通称40番)らしいです。
・理由は銃刀法によるもので、ライフル銃(散弾銃と違い上記の写真のような弾を使う品)の所持には散弾銃所持歴10年以上のキャリアが必要なんです。
・本物のライフルが欲しい、小銃を撃ちたい、所持したい、だけれど法律で10年もなんて待てない。そんな方達はライフル銃を散弾銃に改造するわけです。
・40番はライフル銃に合わせたサイズの散弾です。
・この改造を行えば、さああなたの欲しかったKar98kエンフィールド、はては九九式M−16AK−47なんてお手元に呼び寄せることができちゃったりするわけで……。
・気持ちはすごくよくわかりますけど、そこまでできる愛があるなら10年待つなんて簡単なんじゃないですか?
・歴史ある銃の改造(散弾銃化)は……辞めようよ……。お金持ってる持ってないの話じゃないんだよ……。




・暗くなっちゃったんでひとつ。『散弾銃の辰』
・『ひぐらしのなく頃に』で詩音の見張り役兼ボディーガードですね、葛西。
・最後の決戦で彼も銃を手に取るのですが、かつての異名です『散弾銃の辰』
・ポンプアクションの散弾銃に散弾とスラッグ弾を交互に入れるんですよ。
・スラッグ弾っていうのは……散弾銃の弾が小さな鉛のつぶてなのに対して、丸々ひとつの大きな弾。仮に12番のスラッグ弾なら室内交戦ではほぼ大砲なシロモノです(スラッグ弾はもともと熊などの大型狩猟用)
・交互に装填してるから必要がなければ排莢しちゃえばいい。次には違う弾が入る。
・富竹が射撃の話をしたりするあたりでもうなんとなく理解ってたんですけど……竜騎士07、ただものじゃないですね。
・『うみねこ』でランダルカスタム出してくるあたり、この人かなり銃器の『L5』なんじゃないかなあと思ったりもするのですが。
・『ひぐらし』も『うみねこ』も原作しか知らないのでアニメ派な方にはごめんなさいです。




・最後にひとつ
・実銃は欲しくない。
・いらない。
・モデルガンの世界がすごく好きなんですよ、
・「限りなく本物に近づけてあるニセモノ」ってところが。
・「×偽物」
・「○似せ物」
・日本の技術力、工業力、すごいと思います。
・モデルガン開発陣の方なんて実銃開発陣以上に実銃のこと知ってるんじゃないでしょうか。
・海外の銃器メーカーに出向したらすごい品を作ってくれそうです。
・…
・…
・…
・ただ、
・やっぱり、
・どう考えても、
・……
・銃は人を傷つけるための道具だから、
・あってはならなくて、
・なくてはならないものなんだなあとは思います。



・むつかしいなあ。



うん。