すきなことにはかわりません


今日も実生活に必要のないムダ知識。神沢です。



本日はコルト・ガバメントこと
“COLT .45 AUTO”についてのお話を。



緋弾のアリア
なかなか楽しいアニメでして、
放送は一段落しましたが、2期も出そうな気配なので先行きが楽しみです。



あのヒロインであるアリアが使用している銃について。


コレですね。


コルト・ガバメントと表記されていますけれども、
コルト・ガバメントと表記されていますけれども、


それ、
コルト・ガバメントじゃないです。


気持ちはわかる。わかります。
ものすごっく、よくわかります。


ですが、
その引き金はありえないのです。


20110821221640
実際のコルト・ガバメントの引き金部分、拡大写真。
アニメみたいに爪の形になっていませんね。


この引き金、
分解して取り出すと
20110822205218
こういう形になってます。


部品は後ろに伸びているんですよ。


この引き金、爪の形となりますと、
参考例、どん。
20110821221701
(協力:防衛省よりお越しの9ミリけん銃さん)
部品は上に伸びます。
引き金の上に丸いピンが埋め込まれているのがわかりますでしょうか。
このピンで留めてます。


構造としてまったく別の品になるのです。






夢を壊すようで非常に申し訳ないので補足などを。


「ありえないの?」
「絶対にないの?」
「不可能なの?」


あー、
うー、
んー、


できなくはないです。
できなくはないのですが、
構造そのものがまったく別のモノになるので、
できあがった品を指さして
「これ、コルト・ガバメント!」
とは、正直言いづらいところです。


コルト・ガバメントの派生系として、
引き金が爪形のモノもあります。
Colt Double Eagle - Wikipedia
これですね。
しかし、
このコルト・ダブルイーグルはコルト・ガバメントがベースになっているというだけの話でして、
正直別物なのではないかと思います。
コレをコルト・ガバメントと言うのは、
かなりの無理矢理さ強引さが感じられます。




しかし、
『緋弾のアリア』公式サイトの設定を見てみると
コルト・ガバメントを元に作られたカスタムガンである』
との記述がありますので、
まあ、それでいいかな、と。


原作者さんのペンネーム、『赤松中学』ですからね。『中学』
いわゆる『中二病』な設定全開でいいんじゃないでしょうか。
細かいことを言っちゃいけないような気がします。


ただ、
遊技銃化は不可能なのでそれだけはお知りおきください。
理由は今回お話しした、この構造上の問題です。



それもこれも本日このネタなのは、
身内仲間うちでこの遊技銃化の話題になったことがありまして。


『けんぷファー』の『美嶋紅音』モデルがあるのなら『緋弾のアリア』の『アリア』モデルがあってもいいんじゃないの?」


うん、それ無理
と、即答はしましたが。


つくれなくはないです。
つくれなくはないです、
が、
商品としては成り立たないでしょうね。
新たに設計図面を引いて、金型起こして生産することになるわけですから。
……実在しない銃のために。
投下した資本を利潤つけて回収するのが経済の原則です。
その世界からは外れてしまいます。





アニメの登場人物が使っていた銃のエアソフトガン化、モデルガン化ってそこそこあるのです。
・『けんぷファー』の『美嶋紅音』モデル
・『トライガン』の『ミリィ・トンプソン』モデル
『NOIR』の『夕叢霧香』モデル
・『攻殻機動隊』の『トグサ』モデル
タイアップ企画として商品化された遊技銃は数あるのですが、
自分が知る限り一番すごかったのは、
ガンダム』のビームライフルです。
……その昔、モデルガンで本当に存在してたんですよ。
第二弾で『ザクマシンガン』が予定されていたのですが、結局出ませんでした。




『けんぷファー』の『美嶋紅音』モデルは遊技銃の存在としておもしろいですね。
あの品、元は米国海兵隊が実際に使用している品なのです。
MEUピストルと言いまして、MEUの意味は
“Marine Expeditionary Unit(Special Operation Command)”
海兵隊特殊部隊』
軍用としてその仕様を突き詰めた品です。


『美嶋紅音』モデルは、アニメの制作都合からかと。
MEUピストルとの違いは刻印が全くないこと。
本来の軍用銃としては武器番号の刻印がないのは管理ができないので困ったことなのですが、
アメリカはその昔刻印のない外国の小銃を自国で生産して戦地に送っていた事実もありますのでね。


銃に刻印がないって、
その意味を考えるとおもしろいのです。
(今回はアニメ制作都合ではありますが)




コルト・ガバメントの世界は入り出すと奥が深いので本当に楽しいです。
自分はチビッコ8歳の時に親に買ってもらった頃から28年間共にいますが、
かつて独り暮らし時代、
「部屋が火事になったら何もって逃げるか」なら、
財布も通帳もどうでもいいから
それもって逃げるつもりでしたが、
今でもそうですが、


その程度には好きなのです。



おもしろいですよー、
コルト・ガバメントの世界。




うん。