趣味の独走 拳銃談義


ココはえろげー系テキストサイトです。
ですのでそのようなお話しをさせていただくことになるやと。神沢です。


今回は通称『ミリガバ』についてのお話を。



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M1911A1


身内仲間うちはみのっちさんのところへやって来た仔なのですが、


WA(ウエスタンアームズ)製の、
WA【コルト】M1911A1/ブラックホークダウン 【WESTERN ARMS】
だそうです。
表面の梨地(パーカライジング)仕上げがとてもきれいな一品。


いやあ、
いいですねえ、ミリガバ。


ミリガバというのは『ミリタリー ガバメント』を略した言葉でして、
軍に採用されたコルト社の“45AUTO”を指します。


1911年に最初のM1911 その後1926年に改良型のM1911A1となります。
第一次世界大戦から始まって第二次世界大戦朝鮮戦争ベトナム戦争、その他紛争いろいろ、
1985年にベレッタM92がM9として制式採用となるまで
80年あまり米軍制式採用の拳銃であり続けました。


大量生産され、米国から他国への供与、民間に販売されたりなどもありまして、非常に人気のある機種です。


おかげさまでチビッコさんの鉄砲遊びにはネタに事欠かない品。
この一挺で兵隊さんにもお巡りさんにもギャングスターにもスパイにでもなんでも変身ができるのです。すてき。
……仁義なき戦いもできますね。



さて怪傑ゾロリよろしく、真面目に不真面目にやっていきます。



日本の遊技銃としては一番弾数が多いM1911A1のモデルはコルト社製なのですが、
これがまた、
意外と、
意外と、
少ないのですね。


まず、
M1911A1というのは米軍の採用名でして、型番です。
メーカー名は問わないんですね。
なぜかというと、
第二次世界大戦がほぼ全世界が戦争状態だったモノですから、
当然主要参戦国のアメリカも全力で兵器の製造にいそしんでいました。
どのくらいかというと、アメリカ、
1942年には民間の自動車を生産していません。
当時自動車を年間500万台製造できるだけの工業力を持った国、アメリカでさえ、
その工業力を全て軍事生産に当てていた時代です。
M1911A1の総生産数は約175万挺、
そのうちコルト社製は約40万挺。
今回のこの品、
コルト社製のM1911A1は総生産数全体の四分の一にも満たないわけです。
……意外ですか?
それでも拳銃の製造数が足らなくて、代用のリボルバー(M1917)を採用して配備していたくらいです。
M1917の話は別の機会に。コレはコレである意味すごい品です。




すすむよー。





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こくいん!


軍用銃の刻印は品質維持のために重要な項目なのですが、
M1911A1も例外ではありません。
右上の“G.H.D”軍需品部検査証。検査官の名前だそうです。
右下“P”高圧射撃試験印“pressure proof”のコトかと。
政府の指示通りに組み上げられているかで“G.H.D”の刻印が入り、
射撃テストを通りましたよという証明が“P”なのでしょう。
よく観るとトリガーガード前方に▽の刻印があるのですが、自分コレはちょっとわからないですゴメンナサイ。


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ああー、もう!
ああー、もう!
M1911A1なんやねえ、この仔、
という証明な一葉。


もっといろいろな角度でたくさん撮っておけばよかった!
グラビアアイドルをものすごい数のフィルムに収めるカメラマンさんの気持ちがわかります。
とはいえ、その場限りの預かりモノ(移動中の車内)でしたので、
このくらいで。
よその仔にあんまりハァハァしてますとうちの仔達がふてくされますので。
道具ってそういうモンですよ?


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こくいん! そのに!(ここからうちの仔)


コルト社製の銃は全て、ところかまわず特許取得日を刻印として打ちまくりです。それが写真上のスライド部分。
写真下、フレームの部分。
“UNITED STATES PROPERTY”
その意味は『合衆国財産』
これが、
こーれーが、
キモです!
この品が民間に販売されたモノではなく、
合衆国の財産なのですよという証明の刻印。
米軍が採用したM1911と、M1911A1には全てこの刻印が打たれています。


ココで歴史の話題になりますが、
アメリカは第二次世界大戦中『レンドリース法』によって、
連合国各国へ武器を供与しました。
M1911A1もその対象です。
連合国の各国軍隊へ無償供与されたこのM1911A1もその例外ではなく。
言うなれば、
アメリカ印』をいやがおうにでも各国は使うことになったのですね。
……。
モノは見方によります。
どう解釈するのかは人によって違うこと。
(ちなみに今、この刻印が打たれている品はプレミアがつきます)
戦国時代好きの女子の方を『歴女』と呼称するらしいのですが、
このジャンルの『歴女』がいたら、惚れるかも知れません、自分。
近寄らないかも知れませんが。



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コルト社製は刻印が打ちまくりなのでしてね。


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同じく右側。
このくらいスッキリしていた方が自分は好きかなあ。


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M1911M1911A1の違いはなんなのー?
はい、このあたりです。赤ペンで示したあたり。


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M1911A1はえぐり込みが入るのですね。握りやすいように。
あと、
比較として知られているところとしては、
・引き金の長さが違う(M1911の方が長い)
・引き金の指が当たる部分に滑り止めのチェッカリングが入っている。
このあたりでしょうか。
知らない方からしてみれば全部同じに見えるのですが、
知る方からしてみればちがいはそこにあるのです。
「自慢じゃないお、事実だお」
でも、自慢宣言だよなあ、それ。
戦後の民間販売生産型ではチェッカリングから縦縞ストライプに変わった時期もあります。



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最も有名な改良点。この写真は改良前のM1911


赤ペンが指した部品、
メインスプリングハウジングという部品なのですが、
M1911A1になると、膨らみを持ちます。
手に触れる部位には滑り止めのチェッカリングが入るようになります。
(戦後の型では立て溝になることも)


黒ペンの部分、
クリップセイフティ。
コレがなかなかにくせ者でして。
押し込まないと(つまり、グリップを握らないと)引き金が引けない構造になってます。
ペン先で示した上部、このハンマーとの境目。
コレがまさに射手である兵士にとっては生命線なワケでして。


この銃が生まれたのは1911年のコトです。
それを頭に入れて下さい。


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射撃すると下がるスライドと共にハンマーが降ります。
このペン先で示した部分の空白に注目!


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指を挟んだら……どうなる?


解説するまでもありません。
時に1911年。
迎える戦場は第一次世界大戦で、その場は塹壕戦です。
狭いその場で銃を撃つこともあります。
敵兵の突入を受けて、狭い塹壕の中で、
姿勢はおろか、銃の持ち方も至らぬまま、射撃に至るかも知れません。
“hammer bite” ハンマーバイト 『撃鉄の噛みつき』と言われた現象です。
M1911A1になると改良された部位なのですが、
なぜ改良されたのかは……前例があったからです。
弾丸を音速超えて撃ち出すだけの力で、つまり反動で、親指と人差し指の間を噛まれるわけですから、
……痛いだろうなあ、痛いですよ、きっと。
銃を改良するくらいには。



ミリガバ



M1911M1911A1


その違いは
結構近くて、
結構遠い。




うん。