好きこそものの、とは言いますが
ふー、風呂上がりにはやっぱりウィルキンソ……金麦ですね。神沢です。
そんなわけで本日は拳銃談義などをさせていただければ。
S&W M36 - Wikipedia
通称『チーフスペシャル』以下この場ではチーフスで。
しばらくリボルバーの新規調達がなかったので今回の調達は嬉しかったなあと。
これだけ揃って2500円というのもかなりの破格だったのですが、
まあ値段の理由はそれなりにあったんですね。
まず箱と説明書がありません。もうその時点で売り物としてはかなり痛手です。
えろげーだったらディスク剥き出しってコトですから。
お店で引き取ったら袋に入れていただけたのですが、
本当にこの姿で手渡されまして。
驚く以上に吹き出しかけました。
いいんでしょうか。
いいんでしょう、きっと。
それと安かったもう一つの理由。
発火後だったんですね。
モデルガンって一回でも引き金引いたら跡が残ります。
(とくにリボルバーは顕著なところに出ます)
なので新品でも、お店で見せてもらってもさわることができなかったり、
もしくは触るコトができても「絶対に引き金を引かないでください」といわれるのですが、
それ以上にこの品はしっかり発火痕有り。
おまけで付いてきたカートも腐食が結構進んでいたので、まあ、値打ちとしては格段に下がります。
今回の自分みたいに「気兼ねなく発火できる品が欲しい」という向きでなければまず食指が動くタイプの品ではないです。
リボルバーのモデルガンは当たりはずれが結構大きいので、
いい品に当たれば長く使えるのですが、そうでないと結構寂しいことになったりします。
今回の品は……メーカーもまだ調べてませんが、ざっと見たところ、相当数発火させている様子ですが、機関に手入れをしている様子がない、良くも悪くも「ない」ので、そのうえで快調に動きます。まあ、悪くはないかなと。
具体的にいうと発火後のメンテをほとんどされてません。前オーナーの方は使い倒しにしていたのでしょう。
モデルガンのモデルガンらしいところ。
銃身とシリンダーに鉄板が入ってます。わかりやすく銀色。
銀行の窓口でとってもわかりやすいように作られています。いやコレはマジで。
この鉄板、無理に取り払おうとすると本体が破損します。
これがモデルガンの面白いところでして、
不正改造を試みれば必ず壊れるようにできています。
まあ悪用する人がいなければ耐久性の問題はクリアできるのですが、
この問題につきましては永久に終わらぬいたちごっこというところもあります。
新規調達するたびに感じるのですが、
「限りなく本物に近いニセモノ」なんですね。
本物のコピーで設計して、そこから不正防止の技術を取り入れるのです。
モデルガン設計技師の方の努力ってすごいなと思います毎回。
さてはて安く手に入れられたのは嬉しかったのですが、
少し疑問に感じたところもあり。
このグリップ、どこかで見たことがある品です。
埋め込まれたメダリオンには動物……ライオンかなあ、それが二重丸の何かを携えていて……。
二重丸って、標的でしょうか。丸い射撃標的は“Bull's eye Target”とも呼ばれますね。牛の目の意味。牛の目って、体躯に比べると小さいので狙ったところど真ん中に当たった時は“Bull's eye!”なんて叫んで喜ぶ方がいるとかいないとか。詳しいコトは知りませんが。モデルガンですから。弾飛びませんから。
やったね神沢さん、ぼろもうけじゃん! そんな一葉。
……えー、米国Pachmayer社の品です。ぱっくまいやー。
ラバーグリップを製造、販売するメーカーとして人気があります。
これだけで充分元が取れてます。
……でも自分好みはオリジナルの小さい品なのですが……。
しかしこの銃、メーカーがわかりませんね。
自分が知っているメーカーのモデルガンならわかりやすいところに刻印があるのですが……。
(国のお達しで日本の製品には全て日本国製造の印を入れなければなりません)
あと、モデルガンであればメーカー名もどこかに入っているはず。
この銃の位置なら、きっと入る部分は……。
なぜかヤスリがけされていて読めません。
うん、メーカーの見当は付いてるんだけれどね。
しかしながら『グリップを外したところに刻印を入れている』という話を聞いたことがあったので、外してみます。
えい。
……ない。ないです。
グリップを外してみるとやはり小さいなあと。
装着させるとこれだけ違います。
小指の位置は結構大事。
どのくらい大事なのかはお近くの任侠界の方に「ねー、なんでエンコ詰める時って左手小指なの?」と聞いてみてください。はり倒されると思います。刀を持つ際に一番力を入れる部分が左手小指だからですね。右手で切っ先をコントロールして左手の力で振り下ろします。
ひかくー。
右側は最近まで自分が使っていたリボルバーです。
コルト・ローマン。2インチ。
両者とも同じ38口径なのですが、
6連発と5連発。
357マグナム弾対応かそうでないかで見栄えはかわります。
ここでいきなり脱線ですが、357マグナム弾について。
357マグナム弾って38口径です。なので、
シティーハンターのコルトパイソンも、
次元大介のコンバットマグナムも、
基本的には38口径なんですね。
日本警察のニューナンブと同じ38口径弾を使う銃です。
マグナム弾というのは弾頭を打ち出すための装薬量を増やした品を指します。
語源はワインのボトル。
ワインの瓶で口と栓はそのままなのに中身が大きいボトルを見たことはありませんか?
それがマグナムボトルです。
栓を弾頭に見立てたのが由来です。
ヘルシングでアーカードが最初に使っていた銃の弾薬、454カスール弾は45口径のマグナム弾ですよー。
(一般には装薬量を増やすと『強装弾』減らすと『弱装弾』と呼ばれます)
後ろ姿。
薄いよなあ、チーフス。というかんじです。
グリップの分だけ背丈がありますが、本体の部分はコンパクト。
上から。
こちらの方がわかりやすいですね。
シリンダーとバレルの厚みが見て明らかです。
チーフスは持ち歩きの利便性を高めるために装弾数を一つ減らしましたからね。
ローマンは357対応ということで銃身もがっちり太めです。
……チーフスでもマグナム弾を撃てなくはないです。
チーフスどころかニューナンブでも可能です。
(もともとニューナンブはチーフスのコピーといわれています)
寸法の問題としてシリンダーに弾薬が入れば発射は可能です。
ただし銃本体にマグナム弾の耐性があるかどうかは別です。
……次元のコンバットマグナムでもマグナム弾に耐えきれず破損したという話を聞いています。
次元のというか、実銃のS&W M19
マグナム弾は特殊な弾薬だと思った方がいいです。
カート話。
コレは前オーナーが手入れをサボった理由がすごくわかります。
ものすごく手間が掛かるんですよ。
『こち亀』読んでると紙火薬時代のモデルガンは手入れがすごく面倒だったそうなんですが、
キャップ火薬になってもたいして変わらないです。
上から、
・チーフスの純正
・チーフスのオプション
・ローマンの純正
小さな黒い丸はキャップ火薬です。この位置に来ます。
一番下のローマンの場合には発火カスがそのままシリンダーとバレルに飛ぶのですが、
上二つだとカート内部に残りますね。
モデルガンの手入れはこのあたりが面倒でして、
発火させたあとすぐにウェットティッシュか何かで拭き取ればすぐに終わるのですが、
面倒くさがると火薬カスが石化します。
すると紙ヤスリの出番になる。
カートの具合からしてみると……やってなかったなあ、前オーナーさん。
メンテしていなかった以前に撃ったまんま放ったらかしのキャップ火薬のキャップが出てきましたしね。全10発中2発ほど。よほど愛想が尽きてたんでしょうか。
ホルスター話。
ナイロン製は好みではないのですが。
サムストラップ(親指で金具を弾いて取り出す)形式です。
軍用銃には取り扱われない形式なので自分には珍しい。
しかし、このベルト通し……
どうするんだろう?
ああ、こうか。
使いそうにないな……。
ポケットピストルの方もなんだかぐらぐらしていておかしいなと。
それ以前にこのテの品はこういうケースには収めないのでは。
逡巡と試行錯誤。
んー、
なるほど。
刑事さんっぽいかも。
どちらにせよ使い道がない気がします……。
デリンジャー! わお! 何という骨董品。
最近だとアニメ『禁書目録』1期ラストあたりでしか見かけませんでしたが。
芳川さんの持ち方がイマドキアニメとしてはきちんとしててちょっとびっくりしたというか。
こうやりがちなんですが、
こうですね。
人差し指ではなく、中指で引き金を引きます。
人差し指は、
このように。
デリンジャーというとトライガンのメリル・ストライフなんですが、
彼女の品はまた別の品なので機会があれば。
ものすごく頼りない感があるのですが、
このような品でも頼りにしていた状況というモノがあったのでしょうか。
自分としましては、このような品が必要になる場所へは近づかないことが一番だと思うのです。
まあ、そうも行かない時期と場所があったんでしょうね。
さてネタも一巡りしまして。
握ってみて、取り回しはいいなー、と。
もともとが的を撃つ銃ではありませんし、殺傷専門の軍用品でもありません。
装弾数は5発ですが、コレに追加で必要になるのは予備弾ではなく通信機器かなあと。
馳せる思いにふむふむと、
頷きつつ考えつつな夜なのです。
うん。